みなさん
こんにちは😃
こどもサポート教室「きらり」宇都宮校です❗
今回はADHDの衝動性とはどのような状態なのかについて紹介したいと思います。
そもそもADHDは「じっとしていることが苦手」であったり「毎回忘れものをしてしまう」など、生活面での行動が気になりやすい特性になります。
そのため本人は悪気がないのに、学校で集団行動できずに怒られてしまったり、順番を抜かして同級生と喧嘩になるなど、行動の特性から辛い思いをすることも多い傾向にあります。
走ってはいけないところで走ってしまうなど危険な行動が目立つけど、どうしてそのような行動を取ってしまうのか不思議に思う時もありますよね。
今回はADHDの衝動性とはどういう状態なのかを疑似体験し、ADHDについて少しでもお伝えできればと思います。
【1:脳の覚醒レベルの衝動性】
まず初めにADHDについてお話をします。
ADHDとは日本語名で「注意欠如多動症」と呼ばれる特性で、その名の通り「不注意」と「多動性」「衝動性」を主な特徴としています。大きく3つの特徴がありますが、すべての特徴がある人もいれば、どれか1つのみが顕著に出る人もいます。
『行動面』に特徴があるADHDですが、実は「脳の覚醒レベル」が低いため、衝動的な行動が引き起こされている場合があると報告されています。
そこで「脳の覚醒レベル」をイメージしてもらうために、とある大学生「Aさん」の体験談を記載させていただきます。
私が大学1年生の時です。学校で急遽、2日間で仕上げないといけない課題がでました。
ですが、2日間でできる内容の課題ではなかったため、2日は一睡もせずに仕上げることを決意しました。
1日目の昼:大学での講義を終えてすぐに帰宅。そのまま課題に取り組む。
1日目の夜:ごはんを急いで食べて、これまでどおり順調に課題を進めることができている。
1日目の深夜:普段しないような細かいミスを連発する。夜食で食べようとした食事を間違えて捨ててしまう。
2日目のお昼:少しでも動きを止めるとすぐに寝てしまう状態になる。そのため学校の講義を聞く際には常に手・足を小刻みに動かし続ける。
2日目の夜:眠気がピークに達してしまい座っただけでも寝てしまう状態になる。課題を終わらせるために立ったまま課題に取り組んだ。
2日目の深夜:課題が終わったので就寝。
以上がAさんの体験談です。この体験談は実際に友人から提供してもらった話で、2日間寝なかった時の状態を文章にしてもらいました。
この話からわかることは「脳の覚醒レベル」が下がると、だれもが多動・衝動的・不注意になるということです。
徹夜をしたことがある方は思い返してみると、不注意で多動・衝動的な行動をしていたりしませんでしたか?
ADHDの特徴をイメージするときはこのような「脳の覚醒レベル」が低い状態を考えると分かりやすいかと思います。
余談ではありますが、最近はADHDと診断された人と睡眠の関係について研究されています。睡眠の量と質が本人の必要な睡眠に満たしていると多動・衝動性・不注意が軽減され、診断名もつかないといった研究もあります。ADHDと睡眠については、他の機会で記事にできればと思いますのでここでは割愛させていただきます。
【2:実行機能の衝動性】
続いてADHDの実行機能についてお伝えをしていきます。
ADHDの特性を理解していくためには①実行機能、②報酬系、③時間処理の3つの軸が分かると、考えやすいとされています。
今回は①実行機能の体験をしてもらおうと思います。下に動画を貼ったので、実際に試してみてください。
ではルールを説明します。映像を開始するとカウントダウンが流れます。その後に「〇△×」の記号が出てきます。
「〇が出た時は手を叩く」「△と×が出た時は手を叩かない」でください。
いかがだったでしょうか。大人の方でも苦手な人はかなり苦手なのではないでしょうか。
衝動に対して自分を抑えることが苦手だと△や×の記号の時に手を叩いてしまいます。
次に難易度を上げてみましょう。
先程と映像は同じですが「〇が出た時は手を叩く」「〇の後に△が出ても手を叩く」「×は手を叩かない」「×の後の△は手を叩かない」というルールにしてみます。
それではどうぞ!
いかがでしたか、先程よりも難しくなっていたかと思います。
2つ目の動画がなぜ難しく感じるのかというと、使用する処理能力が増えたからです。
今回の衝動性の体験は記号に対して手を叩くだけの課題でしたが、日常生活ではこれ以上に複雑な処理能力が求められてきます。
実行機能に苦手さを感じているADHDの子どもたちは、日常生活での処理が間に合わずに衝動的な行動をしてしまうということになります。
これがいわゆる実行機能と呼ばれているものになります。
まとめ
以上が衝動性についての疑似体験になります。
多動・衝動・不注意などの特性が実際にどういう状態なのかを知ることで、子どもたちの気持ちを理解する一つの手がかりになるかと思います。
衝動性が強い子どもたちは、危険なことをしたくてしているのではなく、自身を抑制させるのが苦手だということが衝動性の大きな特徴です。
実際の支援では、優先度の高い危険な場所でやってはいけないことから理解を深めていき、日常生活で活用できるように支援をしていくことが多いです。
一度に多くのことを伝えると処理しきれないこともあるので短く簡単に伝えて「失敗したか成功したか」ではなく、「成功確率がどのくらい増えたのか」で見てあげると本人の自己理解を促すこともできたりします。
こどもサポート教室「きらり」宇都宮校では、随時相談を受け付けております🙂
日常生活で子どもと関わる時に困っていることや、今後の進路で不安なことなどお気軽にご相談ください。
またブログの内容でご質問等がございましたら、職員にお声掛けください。
それではまたお会いしましょう😃
次回はASD(自閉症スペクトラム症)の見ている世界の第2弾になります。ぜひチェックしてください!
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