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【コミュニケーション】ASD(自閉症スペクトラム症)の他者理解

更新日 2022年5月17日

みなさん

こんにちは。

こどもサポート教室「きらり」宇都宮校です😃

 

今回はASD(自閉症スペクトラム症)のコミュニケーションについて紹介したいと思います🙂

お子さまにASD(自閉症スペクトラム症)の特性があり「人の気持ちが分からなくて上手くコミュニケーションが取れない」と、心配でご相談をいただくことがあります。

よくアスペルガータイプの特性を持つ人は「空気が読めない」と言われることがあります。学校や家庭、職場などの社会生活の中で、思ったようにコミュニケーションが取れないと精神的に疲れてしまいます。

そのため、コミュニケーションについての不安はとても大きいと思います😔

そこで、少しでもASD(自閉症スペクトラム症)タイプ人の、コミュニケーションの取り方について手がかりになればと思い、ブログに書かせていただきました😺

 

【1:相手の心情を察する力】

まず初めに、他人の心情を察する状態についてお伝えします。

人はコミュニケーションを取る際に、言葉・文字で相手に情報を伝える言語コミュニケーションと、表情や状況から察する非言語のコミュニケーションがあります。後者の非言語コミュニケーションが、特性によって得手不得手がでてきます。

そこで例として、非言語で相手の気持ちを読み取るとはどのような状況なのかを確認してみましょう。

⑴部屋の中でAさんが何も言わずに手をパタパタさせます。⑵それに気が付いたBさんがエアコンのスイッチを何も言わずに押します。⑶Bさんがエアコンのスイッチを押してくれたことに対して、Aさんはお礼を言っています。

いまの例のような状況は職場や自宅で経験したことがある人もいるのではないでしょうか。

このように言語を使わずに相手の心情を読み取り、解釈していくことが非言語のコミュニケーションになります。

続いてASD(自閉症スペクトラム症)の他者理解を図る検査に「サリーアン課題」という検査があります。課題を張っていますので、興味のある方は試しに取り組んでみてください。

写真](3ページ目)「逃げ恥」平匡さんは発達障害? ドラマの主人公に多い特徴的な症状とは | 文春オンライン
引用:「文春オンライン(岩波明の記事)」 https://bunshun.jp/articles/-/1874?page=2

こちらの課題の答えは『カゴ』です。サリーはアンの行動を見ていないため、サリーがビー玉を探すのは、出かける前にビー玉を入れた「カゴ」ということになります。

この課題からわかるのは、サリーはアンの行動を見ていないため、サリーの視点に立って心情を読み解けるかどうかが問われています。

このような検査を通して、相手の心情をどのくらい理解することが出来るのかを診断する上で見られていることになります。

 

【2:サリーアン課題を理解する年齢】

先程のサリーアン課題ですが、定型発達の子どもたちは4~6歳くらいで正解をすることが多いです。

一方でASD(自閉症スペクトラム症)の他者理解が苦手な子どもたちは9歳くらいで正解すると言われています。

そして、「9歳くらいで正解するまでに何があったのか」という部分が、他者理解の療育と深く関係してきます。

  

【3:直観的心理化】

サリーアン課題ですが、正解できるようになるまでの過程を調査した研究があります。

 

その研究の結果では「①課題に正解できない」「②課題に正解できるけど理由が説明できない」「③課題に正解できて理由も説明することができる」という3つの手順を踏んでいくことがわかりました。

 

一方でASD(自閉症スペクトラム症)と診断された人たちに行った調査では、「①課題に正解できない」「③課題に正解できて理由も説明することができる」の2つの手順を踏んでいることがわかりました。

 

この研究から、ASD(自閉症スペクトラム症)と診断されて他者理解が苦手な人たちは、「②課題に正解できるけど理由が説明できない」手順を飛ばして、サリーアン課題を理解していたということになります。

このことから、ASD(自閉症スペクトラム症)の人たちは、『直観的』に他者理解をすることは苦手だけど、言語能力が発達してくる9歳くらいまでの間に、人の表情やしぐさに合わせて他者の心情を『論理的』に理解して、サリーアン課題を正解していると解釈することができるのです。

※「②課題に正解できるが理由が説明できない」状態のことを「直観的心理化」と言います。

 

【4:まとめ】

以上がASD(自閉症スペクトラム症)の他者理解のメカニズムです。

これらのことを踏まえると『論理的』に考えることが、ASD(自閉症スペクトラム症)の人にとって、他者の気持ちを理解しやすいということになります。

今回は例ということで、エアコンのやり取りをした「Aさん」「Bさん」の状況を『論理的』に説明してみます。

①Aさんは顔を赤くして汗をかいて、疲れたような顔をしている。汗をかいているから、暑いのかもしれない。手をパタパタさせているのは、暑いから自分の顔を扇いで少しでも涼もうと思っているのかもしれない。

②Aさんの仕草を見たBさんは、Aさんが暑いと感じていると思い、少しでも涼しくなるようにと気を使ってエアコンを付けてあげた。

③AさんはBさんがエアコンを付けてくれたのは、暑そうにしていた自分のためだと気が付いて、Bさんにありがとうとお礼を言った。

実際の生活の中では、もっと複雑なやりとりが多く行われます。その都度すべてを言語化することは状況によって難しいことも多々あります。

ですが直観的な感覚ではなく論理的な解説がASD(自閉症スペクトラム症)の方とのコミュニケーションを取る上で一つのキーワードとなります。

他者の気持ちを理解してもらいたい時などに是非活用してみてください。

 

こどもサポート教室「きらり」宇都宮校では、随時相談を受け付けております🙂

日常生活で子どもと関わる時に困っていることや、今後の進路で不安なことなどお気軽にご相談ください。

またブログの内容でご質問等がございましたら、職員にお声掛けください。

それではまたお会いしましょう😃

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