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【他者視点】ASD(自閉症スペクトラム症)の見ている世界

更新日 2022年9月22日

みなさん

こんにちは😊

子どもサポート教室きらり宇都宮校です!!

今回はASD(自閉症スペクトラム症)の方の見ている世界を解説していきたいと思います✋

見ている世界というと大げさに感じるかもしれませんが、同じ場所にいても人によって違う部分を見ていることはよくあるかと思います。

例えば、おしゃれに関心が強い人は他の人がいつもと違う服を着ていると気が付いたり、細かい部分ではメイクの違いにも注目している場合があります。一方で気が付かない人は、髪型すら気が付かずにパートナーに怒られるなんてこともあったりしますよね。これは同じ場所にいても、人によって見ている世界が違うということです。

ASDの人たちが見ている世界を知ることは、ASDの人たちを理解してコミュニケーションを取るための有効な手立てになります。

そこでASDと診断を受けた人はどのような世界を見ているのかを解説していくのですが、とてもボリュームがあるので4つに分けたいと思っています。

今回は「他者の視点」について解説をしていきますので、よろしくお願いします。

それでは本題に入っていきましょう。

【1:ASDと心の理論】

まず初めにASDと心の理論を確認しましょう。

ASDの方の得意な他者理解の方法は「論理的」に考えることです。その理由としては直観的で曖昧な理解よりも、論理的で明確なやりとりが得意だからです。

それを証明するための課題として「サリーアン課題」の実験を以前ご紹介しました。

詳しくは「ASDの他者理解」としてまとめておりますので、まだ見ていない方は是非チェックしてください。

【2:目隠し実験(幼児)】

今回は「目隠し実験」という研究からASDの人がどのような世界を見ているのかを紹介していきます。

「目隠し実験」は1~2歳の子どもたちを2つのグループに分けます。2つのグループにそれぞれ目隠しを付けた状態でおもちゃを使って遊んでもらいます。

当然目隠しをしているので前が見えない状態ですが、この実験はある工夫をしてあります。

それは、Aグループには「何も見えなくなる目隠し」を配り、Bグループには「見える目隠し」を配っており、Bグループの子どもだけ見えている状態で遊んでいる状況を作ります。

その後、それぞれのグループで遊んでいた子どもたちにある映像を見せます。

それは、目隠しをしている子どもがおもちゃを取られて、本来入っていなかった箱に隠されてしまうという内容です。

その映像を見て、AグループとBグループの子どもたちの視線を追って、どこを見ているのかを確認します。

その視線がAとBのどちらの箱を見ているのかを確かめると次のような結果になりました。

Aグループ(普通の目隠し)の子どもたち映像のAの箱を見ていて、Bグループの子どもたち映像のBの箱を見ていました。

つまり、Aグループの子どもたちは映像の子どもが付けている目隠しは、自身の経験から見えなくなる目隠しであるということを理解して、映像の子どもの視点に立つとAの箱を探すと判断している。

反対にBグループの子どもたちは、目隠しが見えていたので映像の子どもの視点に立つとBの箱を探すと判断しているということが言えます。

この結果から「人は1~2歳の段階で他者の視点に立って行動予測をしている」ことがわかります。

ここまでが目隠し実験の内容です。人は生後間もない(1~2歳)時期から、他者の視点を予測しているのです。

 

【3:目隠し実験(ASD版)】

では、ASDの診断を受けた人とそうでない人をグループに分けて、目隠し実験を行った場合どのような結果になるのでしょうか?

先程の目隠し実験を「非ASDグループ」「ASDグループ」に分けて検証してみます。

目隠し実験は1~2歳の幼児を対象に取り組まれていましたが、ASD版の実験では成人の人たちを対象に実験をしました。

さらにASDのグループの人たちは全員が「サリーアン課題」を通過している(正しい答えを出している)人たちで構成されています。

サリーアン課題はASDと診断を受けていても、9歳程度で論理的思考を身に付けて通過すると言われています。つまり「ASDグループ」の人たちは相手の気持ちを考えたり、理解することができる人たちということです。

それでは実験の結果はどうなったのでしょうか。

その答えは「ASDと診断を受けたグループはBの箱を見ていた」という結果が出ました。

つまり、論理的に他者理解をすることができる人たちが、目隠し実験の映像を見た際には「他者の視点に立っていない」ということがこの実験から明らかになりました。

 

【4:まとめ】

これまでの実験結果を踏まえて、ASDと診断を受けた人は成長に伴って他者の心情を理解することができますが、他者の視点に立つために意識を向けているということになります。

すなわち日常生活の中で潜在的・自発的に他者の視点に立つことが難しいということです。

イメージとしては「他者視点スイッチ」のようなものがあり、そのスイッチを押すことで相手に意識を向けて理解を図っていくような感覚が近いかもしれません。

しかし、他者視点を切り替えるスイッチは常に入れておくことはできませんし、思考を切り替えることはとても労力のいる作業になります。

ASDの人たちがこのようなスイッチを切り替えなくてすむようにするためには、ASDの人たちがありのままで円滑にコミュニケーションを取ることができる社会の実現なのですが、スケールが大きくなってしまうのでここまでにしておきます。

以上がASD(自閉症スペクトラム症)の見ている世界の他者視点でした🔅

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次回はASD(自閉症スペクトラム症)の見ている世界の第2弾になります。ぜひチェックしてください!

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