前回、以下のようなブログを掲載いたしました。
今日は、その続編となります。
「出席扱い」についての文部科学省の立場です。
不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日:文部科学省 (mext.go.jp)
上の通知の中に、不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方が明記されています。支援の視点として次のように述べられています。
「不登校児童生徒への支援は、“学校に登校する”という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒
が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があること。また、児童生徒によっては、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立のリスクが存在することに留意すること。」とあります。「学校へ行くかどうかという問題より、不登校によって生じる進路選択上の不利益や社会的自立の問題をどう解決するかの方が大事だ」と読み取れます。大事なのは「学校へ行く」ことではなく「学業の遅れを始めとする自立の遅れをどうやって補うか」ということです。
次の文書には「不登校児童生徒が学校外の施設において指導等を受けている場合、これらの児童生徒の努力を学校として評価し支援するため、義務教育制度を前提としつつ、一定の要件を満たす場合に、当該施設において指導等を受けた日数を指導要録上「出席扱い」とすることが可能となっています。」とし、民間の施設においても「出席扱いが可能」とされています。
不登校への対応について:文部科学省 (mext.go.jp)
どういう施設で、どのような支援を受けたら「出席扱い」になるのかの判断は、「学校長」となっています。
ただし、あくまでも「出席扱い」であり「出席」ではありません。出欠、遅刻、早退などを記載する「出席簿」では出席とはなりません。ですから、指導要録には「出席簿」の日数が記されます。備考に「欠席のうち△△へ〇日出席」と記載されます。
学校は欠席していたけど、そのうちの〇〇日は「〇〇」という施設で自立のため、または学業の遅れを取り戻すためにがんばっていたよ、というお子さんの努力を学校としても認めますよ、という意味あいになります。
「出席扱い」というのはお子さんの努力を認めるための制度と言えます。
(なお、メールで寄せられた質問の中に「児童と生徒はどう違うのか?」というものがありました。文科省などの行政の文書では「児童」は小学生、「生徒」は中学生と区別して表記されます。)