中日新聞に連載中の「ロストチャイルド 第3部 勉強」を大変興味深く読んでいます。2023年5月6日は「懸命な字 全部バツ」。読んで理解する力に問題はないが、書くことが極端に苦手な児童の姿が紹介されていました。
黒板の字を写すことが苦手なのに、点検されたノートには「黒板の字を写してください」と先生の赤ペンが。一生懸命に書いた字なのに、「字が汚いから、全部バツね」と採点される。やがて男児は不登校に。
この記事に似たような話は、保護者の方からよく聞きます。
「今年の先生は厳しい先生で」。
肯定的に捉えてみえるのかと最初思ったが、違っていました。
「漢字のテストは、トメ、ハネなど厳しくてほとんど〇がもらえない。」
「一生懸命やっているのは親も知っているのでここまで厳しくしなくてもと思う」
「やる気がなくなってしまうのではないかと心配」
「どうしてクラス(先生)によって採点基準がちがうんでしょう」
ちょうど1年前にブログにのせた記事を紹介します。
簡単に言えば、人の手で書いた字と、活字の字とは違うということです。活字でもフォントによっても字体は微妙に違います。字を覚えていく過程にある子どもには、そんな細かい事を指摘するのでなく、漢字の成り立ちや意味などをしっかりと教えてあげて、漢字に対する興味を持たせることの方が大事なのです。
金八先生の、「右と左のパーツがお互いに支えあって”人”になる」というセリフは私の中には突き刺さっています。(後に武田鉄矢自身が、このセリフは本来の人という漢字の成り立ちではなく、間違っていることを認めていますが、そんなことはどうでもいいのです。私は金八先生の漢字の授業は大好きでした。)
細かな「とめ・はね・はらい」の指導が、多くの学習嫌い、学校嫌いの子どもを作っています。
それでは、どんな漢字指導を「きらり」多治見校ではしているのか。これから何回かにわけてご紹介します。