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保護者交流会へのお誘い(その3)

更新日 2022年5月26日

不登校の原因や理由がわからない場合の対応が難しい、という内容の続きです。

では逆に、原因がある程度はっきりしている場合とはどういう事例があるかというと、私が思い浮かぶものとしては、例えば次の2つがあります。

①友達関係や先生方との関係をうまく築くことができない場合、あるいはその子のおかれた環境との折り合いがうまくつかない場合。例えば、相手とのコミュニケーションがうまくとれずに周囲から浮いてしまう場合や相手の気持ちを考えるのが苦手で友達関係がうまくいかない場合、いじめやからかいの対象になっている場合、困ったことがあってもまわりに伝えることができずに一人で抱え込んでしまう場合、困ったことがあったときの対応方法が不適切な場合(固まってしまって長時間にわたって何もできなくなってしまうなど)、家では自由に気持ちを伝えることができても園や学校では過度に緊張して疲れてしまう場合、など。

②学習(学校での活動)についての困り感が強い場合。例えば、みんなの前で音読したり発表したりすることに対して極度の苦手意識がある場合、自己肯定感が著しく低くて自分にはできないと思っているために学習への意欲が持てない場合、先生が長い指示をすると内容がわからなくなるのでみんなと同じ動きが出来ない場合、書くことや読むことに苦手意識が強くて授業の進むペースに追いつかない場合、じっと座っていることや多くの人の中にいることが苦手な場合、ざわざわした音や光などに敏感で授業に集中できない場合、授業内容がわからないために授業に出席しているのが苦痛な場合、など。

私のこれまでの経験や、北長野校をご利用いただいている保護者の方のお話を伺う限り、この2点が問題になるケースが多いように思います。①と②が重なり合い、学校がつまらなく感じ、学校に行くのが苦痛になる場合があります。

もちろん、このほかにもあります。その代表例が、行事の前になると行きしぶりが出てくる、というお子さんです。運動会や音楽会の練習が始まる時期になると心配、というような場合です。指示理解がうまくいかない場合もあれば、行事や練習に参加することへの緊張感やプレッシャー、いつもと違う場面で先の見通しを持つことの難しさ、苦手な活動をしなければならないことへの気持ちの負担、勝つことへのこだわりが人一倍強いために競争をすることを避けるなど、①と②だけでなく、他の要因も関わるでしょう。

そこで、とりあえず今回の保護者交流会では、①のまわりの人との気持ちのつながり作りと、②の学習支援に焦点を当てた次第です。話し合いの中で、行事等についての話題も出てくるはずです。

ただ、こういった問題がいつ頃からどのような形で顕在化してくるかは様々です。中学校の例を出します。中学校では、部活動が生徒指導上で大きな役割を果たすことがありますが、逆に部の中での人間関係のもつれにより、お子さんの生活が荒れてしまう場合があります。小学校の頃とは違った形や程度で問題が生じる場合がある、ということです。また、中学校では学習(教科)指導が最も大切な生徒指導だ、とおっしゃった先生がおられました。確かにその通りなのですが、すべての生徒さんの気持ちを引きつけ、どの生徒さんにもわかるような授業を行うことは大変難しいことで、残念ながら私には出来ませんでした。中学校で英語を教えた者として実感したのは、一旦わからなくなるとこれほど授業を受けるのが苦痛になる教科は英語の他にはないだろう、ということでした。学力差が3年間で大きく開く教科でもあります。毎日コツコツ努力することや、書くことや話すことに苦手意識の強いお子さんにとっては、本当に嫌な教科、嫌な授業でしょう。教科担任制ですと、担任がすべての教科を教える場合のように、進度の遅れた教科の時間を少し多めにする(ということを私は小学校でしたことがありました。)などという柔軟な対応も出来なくなり、その授業時間内でどれだけの学びができるかが勝負になります。お子さんにとっては、1時間の授業にしっかりと参加することがこれまで以上に大切になるため、何らかの理由で授業に出席することを苦痛に感じるお子さんにとっては辛くなる場合があります。

このように、お子さんたちが成長するに従って、様々な困り感に直面する可能性があります。保護者の方が過度に不安になり、先回りしすぎることは、お子さんの成長にとって決して好ましいことではありません。しかし、これからどんな困り感が生じてくる場合があるのか、そういった困り感が生じてしまった場合にはどんな対応方法があるかについて、あらかじめ知っておくことは大切です。学校でも様々な対応がなされています。ただ、私には学校の最新の動きがわかりませんし、経験している内容も偏っていますので、今回の保護者交流会でも外部講師を招聘し、より専門的な立場からの助言をしていただく予定です。

保護者の皆さん、是非ご参加下さい。幸いなことに、北長野校の近くのお店の方たちは、保護者交流会を行うときには快く駐車場を貸して下さいます。20台弱でしたらなんとかなります。本当にありがたいことです。ただ、コロナ禍がまだ収まらない状況ですので、参加者数はある程度絞らざるを得ない場合があることや、感染状況によっては中止とすることも考えざるを得ないことも想定しています。ご了承ください。

不登校や行きしぶりへの対応は、本当に難しいです。この保護者交流会は、私たち職員にとっても勉強の場になります。皆様からの参加申し込みをお待ちしております。なお、北長野校の保護者交流会への参加申し込みは、北長野校を利用中の方に限定していません。知り合いの保護者の方が北長野校を使っていて紹介された方や、今度体験をすることになっていて利用するかどうかわからないけれども交流会には興味があるという方、あるいはこのブログを読んだという方でも結構です。どうぞお声がけください。ただ、毎回多くの方にご参加いただいているため、人数が多くなりすぎてしまった場合にはお断りすることがないとも限りません。極力、そういうことはしませんが、もしそうなりましたらどうぞご容赦ください。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。【山】(完)

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