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保護者交流会へのお誘い(その2)

更新日 2022年5月20日

本題(7月の保護者交流会の内容)に戻りましょう。今回、このようなテーマで保護者交流会を行おうと考えた2つ目の理由は、不登校(あるいは行きしぶり)についての私自身の思いがあります。何とかしたいけれどもうまくいかない、効果的な方法を私も知りたい、というのが正直な気持ちです。

私にも、自分のクラスのお子さんが不登校になってしまい、どう対応しようか悩んだ経験があります。極論になりますが、不登校の原因がある程度はっきりしている場合には対応の方針が立てやすい(だからといって、実際の対応が必ずしもうまくいくとは限らず、結果としてお子さんや保護者の方を悩ませてしまったこともありました。)のですが、どうして不登校になってしまったのか、私にも保護者の方(そのお子さんの保護者の方だけでなく、クラスの他の保護者の方も含めて)にも決定的な理由が思い当たらない場合もあります。この場合の対応は本当に難しくなります。そのお子さんの周りにいる大人の心の中では、お子さんに登校へのプレッシャーをかけるのは良くない、お子さんの気持ちを大切に考えなければいけないといった思いと、この状況がいつまで続くのかわからない、このままずっと引きこもってしまったらどうしようといった不安がせめぎ合うことになります。

ある小学校のお子さん(6年生の男子)を例にします。それまでとても明るく元気だったお子さんが、ある日突然不登校になってしまいました。おそらくこれが原因ではないかという思いは、それぞれの方にありました。同級生のお子さんの保護者の方から、「うちの子が○○をしたことが原因ではないでしょうか。」とか、「何か私に出来ることはないでしょうか。」などと声をかけていただいたこともありました。ただ、不登校になった本人とは、毎週1回は家庭訪問をして30分から40分ほど話をしていたのですが、決定的な原因が本人の口からは出てきませんでした。そのお子さんの保護者の方に、本当に申し訳ないとお伝えしたところ、お母さんからは、「私にだって、突然のことでまったく思い当たることがないんです。先生(にうちの子が不登校になった理由)がわからないのは無理ないですよ。」と言われたことが強く心に残っています。私にもっと何か出来たのではないか、という自責の念は更に強くなりました。このお子さんの場合、中学進学にあたっていろいろなところと細かなところまで連絡を取り合って打合せを行い、本人に安心して進学してもらえるよう、みんなで手を尽くそうとしたことが、もしかしたら功を奏したのか、なんとか中学校の入学式を乗り越え、その後の本人やまわりの皆さんの努力のおかげで、その後は登校できるようになりました。その後しばらくして、このお子さんの保護者の方とお目にかかる機会があり、小学校の時のことを話し合いました。その結果、不登校となった原因は、本人の心のエネルギー切れだったのではないか、という話になりました。お母さんのお話では、4年生までは本当に目立たない静かな子だったのが、5年のクラス替えを契機にすごく活発になったそうです。不登校になる前日の6年生での体育の授業で、あまりにもはしゃいでいたので、私も気になったのを覚えています。その授業(体育館での器械体操の授業でした。)のとき、友達から、「危ないよ。だめ。」と注意されたことで本人が泣き出してしまい、その足で学校カウンセラーのところに行き、本人が気持ちを伝えたところ、よりにもよって、「それはあなたも悪いよ。」と言われたそうで(カウンセラーの先生は、この一言を後々まで随分後悔しておられました。)、次の日から学校に来なくなってしまいました。先ほどの、「うちの子が○○をしたことが・・・。」と話しておられたのは、この時に注意をしたお子さんの保護者の方でした。

このお子さんのように、そのときにはわからなくても、あとになってふり返ってみるとあれが原因だったのかもしれない、という場合もあるのです。小学校6年生のこのお子さん(気持ちが優しくてしっかりしたお子さんでした。)でも、不登校の原因をはっきりと自覚して伝えることができなかった(と私は思っていたのですが、もしかしたら私に伝えられなかっただけかもしれません。)わけですから、もっと年下のお子さんの場合は、言葉で伝えることが更に難しくなるだろうと思います。【山】(その3に続く)

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