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学校に困り感を伝える11の方法(その2)

更新日 2022年7月16日

②その学校の管理職以外の先生、たとえば、学年主任や同じ学年の先生、保健室の先生などに伝える。

 〇多くの学校では、毎週学年会が開かれており、その中で生徒指導の話題が出てきますので、学年主任の先生にお伝えすることで学年会の話題にしていただいたり、保健室の先生やカウンセラー、他のクラスの担任の先生(お子さんの兄弟関係の担任などで、気心の知れた先生)などに相談し、その先生から該当の担任の先生や学年会に伝えていただいたりすることができます。管理職だとハードルが高いけれども、保健室の先生はいつもお世話になっているから話しやすい、という場合があるでしょう。ほかに話しやすい先生がおられれば、その先生に相談する方法もあります。

 △担任の先生が学年主任である場合、学年主任経由で伝えることはできません。また、その他の先生にお伝えした場合、その先生がどれだけ対応して下さるかは不明です。この事例のようなベテランの先生に若い先生が直言するのは難しい場合もあり、結果として①で述べた管理職経由で話が進む場合もあります。

 ▢初めてのお子さんが入学した、という保護者の方の場合、知っているのは担任の先生だけ、そのほかに気心の知れた先生はいない、という場合もあるでしょう。ただ、同じクラスの保護者の方の中には、上のお子さんがいるという方がおられます。クラスの保護者の方が仲良くなり、気楽に話ができる関係であると、こういう場合に助かります。私は、新しいクラスを持った時、特に小学校低学年のクラスでは、第1回目の学級懇談会で、「保護者の皆さんが仲良くなってほしい。」と必ずお伝えしてきました。この例に限らず、何か問題が起こった時に保護者の方同士がすぐに話ができる関係にあることは、お子さんが安心して学校生活を送るために大切なことだと思っています。

③担任の先生に保護者が直接伝える。

 〇連絡帳を使う、電話やLINEで伝えるなど、使いやすい手段で伝えるのがよいでしょう。保護者の方やお子さんの気持ちがストレートに伝わりますし、担任の先生から直接様子を伺うことで、お子さんからの情報だけでなく、先生からの情報と合わせて学校の様子を理解することにもつながります。また、担任にもよりますが、すぐに対応してもらえる可能性が高くなります。

 △意見を伝えやすい担任であるかどうかが問題です。担任の性格によっても大きく変わるでしょう。また、特に小学校1年生の連絡帳でのやりとりの場合にあるのですが、担任の先生のところには何通もの連絡帳が届くことがあり、丁寧に返信を書く時間がとれず、言葉足らずになってしまうことがあります。充分に気持ちが伝わっていないと感じたときや、先生の返答に疑問を感じるような場合は、電話や対面で確認した方がよいでしょう。

 ▢保護者の方が、お子さんの言うことをそのまま信じてカッとなり、学校や他の保護者の方にストレートに文句を言ったり苦情を伝えたりすることは、避けたほうがよい場合が多いです。私は、どの学年でも最初の学級懇談で、問題は必ず起きるので、何か他のお子さんとトラブルになった場合には、直接相手の保護者のところに言いに行く前に、必ず担任をはさんでほしい、とお願いしてきました。お子さんの言っていることを疑ってほしい、と述べているわけではありません。年齢にもよりますが、自分のやられたことしか言わない場合があります。これは、必ずしも事実を隠しているとは限りません。大人もそうですが、当事者はなかなか客観的に物事を見ることができません。本人の気が付かないところで、別の事態が起こっていたのに本人が知らなかった、ということもあります。まずは、先生のお考えを伺ってみましょう。先生をはさまず、直接相手の家に怒鳴り込むと、場合によっては(特に事実誤認があった場合)、後々まで尾を引いてしまうことがありますので、注意が必要です。時には、先生もご存じなかった、という場合もあります。しかし、伝えることで、先生もその後、気にかけて見てくださるはずで、後日詳しい情報を寄せていただくことにつながります。

 なお、先生方の中には、他の方を経由して情報が入ってくることを快く思わない方がおられます。何かあった場合に対応するのはそのお子さんの担任であり、どこかから情報が入ってきても、又聞きでは内容を詳しく確認することができないので対応がしにくい、という考え方です。また、なぜ直接言ってくれないんだ、と言って不快感を抱く(直接言葉にするかどうかは別です。)方もおられます。このあたりは、伝えにくいと感じる保護者の方との意識の齟齬が生じる場面です。

 また、モンスターペアレントやクレーマーなどという言葉があり、自分もそう思われるのではないか、という心配をされる保護者の方もおられます。ただ、私はこう思います。モンスターペアレントやクレーマーというのは、理不尽な要求や自分の子どもの利益だけしか考えない利己的な主張をしたり、実現不可能な要求を学校に強いたりする人を言うのであって、正当な意見を言う方は、決してモンスターペアレントでもクレーマーでもありません。前記の例の場合は、正当な意見に当たります。遠慮をする必要はありません。

④担任の先生にお子さんが伝える。

 〇お子さんと先生との関係がしっかりとできていれば、お子さん自身や保護者の方の考えを、お子さんを通して伝えることも可能です。日記で伝えたり、お子さんの口から先生に伝えたりすることができます。場合によっては、お子さんたちの意見のほうが先生も受け入れやすい、ということもあります。

 △これができるようになるのは、早くても小学校高学年か中学生以上でしょうか。低学年で思ったことをどんどん伝えるようなお子さんなら可能かもしれません。先生によっては、お子さんの意見を受け入れない方もおられますので、その場合には効果を期待することはできません。

 ▢私がかつて、地域でも有名な荒れた小学校6年生の学級の担任を1年間だけ任された時、何人ものお子さんと生活の記録(日記)でやり取りをしていました。クラスでは言えない、日記でないと気持ちを伝えられない、そんなクラスでした。女子全員に集まるように言ったところ、3つのグループに分かれ、絶対に一緒になろうとしなかった子たちです。そんな子たちでしたが、生活の記録の3ページほどを使って自分の思いを書いてくる子が何人もいて、私も同じくらいの量の返答を書いていたことを思い出します。みんなの前では言えないことも、日記の中には書くことができる、そんな場合もあります。 ただ、これもそれを受ける担任次第、というところがあります。どの程度真剣に受け取ってくれるか、どのような対応がなされるか(なされないのか)は、担任の考え方次第のところがあります。とくに、子どもはこうすべきだ、こうしなければこの先困る、という「べき論」の強い方には、なかなか受け入れていただけないと思います。【山】(その3に続く)

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