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学校に困り感を伝える11の方法(その1)

更新日 2022年7月11日

 7月4日に、「行き渋りを考える」というテーマで保護者交流会を開催したところ、多くの保護者の皆さんにおいでいただき、本当にありがとうございました。また、お二人の外部講師の方から、保護者の方のお悩みに対してアドバイスをしていただいたことにも、深く感謝申し上げます。

 保護者の方からは、事前に講師への質問を出していただきました。また、当日も保護者の皆様から自己紹介を兼ねて悩み事を発表していただきました。こうしてお聞かせいただいた内容は、大きく二つに分けることができるのではないか、というのが私の印象です。一つ目は、そのお子さんの抱える困り感に起因する問題です。学習についていくのが厳しくなって授業が辛くなってきているとか、周りとコミュニケーションがうまく取れないために集団の中に入れず、学校がつまらないと言っている、などといった内容です。もう一つは、園や学校の様子や連携にかかわる問題です。困ったことがあっても学校の先生方と連絡がとりにくい、クラスの雰囲気が良くない、保護者同士が話をする機会が少ない、などといった内容です。

 実は、この交流会の前の週に、何人かの保護者の方から、学校との意思疎通をどのように行っていけばよいか悩んでいる、いう相談をいただいたところでした。コロナ禍で家庭訪問や参観日、行事などが少なくなったことで、家庭と学校との連携がうまくいかなくなってきている場合があるのではないか、と感じました。そこで今回のブログでは、保護者の皆さんが学校に何か困りごとをお伝えする場合に、どのような手段を使うことができるかについて、保護者の方との話し合いや保護者交流会での議論を踏まえて、私の考えをまとめてみました。今回は4回に分けて書きます。

 例として、次のような状況を考えてみましょう。保護者の皆さんからいただいた相談内容とは全く別の例を作ってみました。

 「小学校低学年。担任の先生は年配のとても厳しい方で、忘れ物をしたり学校の決まりを守れなかったりした時、あるいは教室内でものが壊れた時などに、とても強い口調で子どもたちを叱責します。そのため、うちの子どもは怖がって、困ったことがあっても先生に何も言うことができません。他のお子さんも同じように思っている、とうちの子は言っています。クラスで他のお子さんが叱られているのを見ると、うちの子は自分が叱られているように感じるので、更に不安になってしまうようです。先生が叱る理由はもっともですが、叱られる子どもたちの気持ちも考えて、もう少し優しく伝えていただきたいです。この頃、先生が怖くて学校に行きたくないと言い出しました。どのように学校に伝えればいいでしょうか。ただ、私が学校に伝えることで、うちの子が逆恨みを買って先生からさらに叱責されるのではないかという心配があります。学校に伝えることで、うるさい親だ、モンスターペアレントではないかと言われるのも嫌です。でも、このままにしておくわけにもいかないので、何とかしたいのですが、どうしたらよいか迷っています。」

 問題によっては、時が解決してくれるという場合もあります。しかし、上記の場合、そのままにしておけば傷口はさらに広がってしまうと考えられます。お子さんの行き渋りがひどくなるかもしれませんので、そうなる前に対処しなければなりません。では、どのように学校側に伝えるのがよいでしょうか。

 私からは、相談していただいた保護者の方に、学校側に困り感を伝える手段として次の11の方法が思い当たるので、この中の最も取り掛かりやすいものを1つ、またはいくつかを組み合わせて行ってみてはどうでしょうか、とお伝えしました。それぞれの方法には長所と短所があります。実行が難しいものや、効果があるか疑問のある方法もあります。その保護者の方やお子さんの状況によっても、どれが良いかは変わりますので、相談を受けた私は、保護者の方から様子を伺いながら一緒に最適な方法を探っていく方法を取りました。これ以外にも適切な方法があるはずですので、ぜひ教えてください。

 私が提案した11の方法は、以下の方法です。なお、〇はそれぞれの方法の長所、△は短所、▢は関連するコメントになります。

①その学校の管理職(校長先生や教頭先生)と相談する。

 〇この方法が最も手っ取り早く、確実に対応がなされる可能性が高くなります。学校側に相談の時間を設定していただくようお願いし、詳しい事情をお話することで、保護者の方のお気持ちを直接お伝えすることができます。

 △直接伝えることは、大なり小なり直接担任に指導がなされることにつながります。これは良さである反面、誰から話があったかは、少なくとも管理職には特定されますので、「うちの子が逆恨みを買って」という心配が出てきます。校長先生や教頭先生は、このあたりも考慮しながら担任に伝えて下さるでしょうが、保護者の方としては気がかりな点です。そのため、逆恨みの不安についてもお伝えしたり、今後の学校側の対応方針について伺っておいたりするのはどうでしょうか。なお、(その)学校自体に不信感がある場合には、伝えるのに躊躇するでしょうし、管理職の先生方と接する機会が少ない学校では、この方法はかなりハードルが高くなります。

 ▢後述の他の方法でも同様ですが、この方法を取る場合、1人ではなく、何人かの保護者の方が一緒に相談にいくこともできます。その方が話しやすくなりますし、伝える側も心強いでしょう。また、話をお伝えするときに、感情的になってしまうこともあるでしょうが、喧嘩腰や学校を責めるようなやり方ではなく、相手をねぎらい、協力をお願いしたいという姿勢でお伝えするのがよいでしょう。相談を受ける側も人間ですので、相手に嫌な感情を与えてしまうような伝え方は避けるべきだと思います。【山】(その2に続く)

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