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【発達研究所レポート】
発達障がいは法的にも「脳の機能障害」ということになっています。それは「脳が体をコントロールしている」という考え方がベースにあります。 これに対して,実は体が脳に働きかけたり,体のいろいろな部位がお互いに脳を介さずに情報をやりとりしてバランスをとったり,といった仕組みがだんだん明らかになってきて,以前の「脳がすべてを支配」といったイメージが変わりつつあります。 たとえば腸からの情報が逆に脳を動かす,とか,遺伝子の働き方に作用する,といった例があります。 たとえ話で言うと,これまでの考え方は「脳」を「支配者」とする中央集権的な組織として体を考えていたのに対して,今は体のいろんな部分がそれぞれ独自の働きをしていて,それらがネットワークを作って体が成り立っている,という分権的な,ネット社会のような仕組みとして体が考えられるようにもなってきたということです。 この話をもう少し先に進めると,精神状態が悪くなると,おなかの調子が悪くなる,ということは比較的身近に経験されることでしょう。このように心と体が関係しあって身体症状が生まれるように見えるときそれを「心身症」と言います。 精神状態はその人が置かれた人間関係に強く影響を受けますから,そうすると,「人間関係のストレス」=「腸内環境の変化」=「遺伝子や脳への影響」などといった形で,実は身体を超えたつながりによって身体的な症状が生まれる,というふうにさらに広く問題を考えることもできます。 事例研修で,その子が置かれた家庭環境などの要因を重視した総合的で柔軟なアセスメントがしばしば必要になるのは,そういうことが理由です。 以下の記事はとりあえず人間関係など社会環境の問題まではちゃんと考察できていませんが,単に脳や遺伝子の問題だという狭い見方から,もう一歩広く発達障がいを見ようとしている話のご紹介です。
うつ病や発達障害…「脳や心の病気」の発症要因が分かってきた。知られざる「腸、脳の相関」【医師が解説】
https://news.yahoo.co.jp/articles/2237f108120f36dc3aa955f3d642ffbeafea0697
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