「3+1=5」子どもがたし算の問題にこう答えたらどうしますか。
中日新聞(2021年6月18日)の記事を紹介します。
数学者の谷口神戸大学大学院教授は、当時3~4歳だったご自身の娘さんに「3+1=いくつ?」と尋ねたそうだ。
まだ たし算をおぼえて間もないころのことだ。
「5」と娘さんは答えたそうだ。
みなさんなら、どうしますか?
私だったら、「もう一度数えてごらん」と指を出して数えさせて「4」と答えさせ、「そうだね、4だね。正解。すごい。」とやるだろうね。
ところが谷口先生は「そうだね、5だね。」と〇にしたそうだ。
「答えは一応3より大きいし、7や8のような見当外れの数でもない。
何より指を使ってたし算をしていた娘が、初めて指を使わずに導いた答えだった」と振り返る。
「いずれ、たし算はできるようになる。
指を使わずに足すという新たな一歩を大切にしたかったのだそうだ。
谷口さんは誤答の中にも理由があり、部分的には正しい推論をしていることがあることを指摘する。
先生「250mmは何cmですか。」子ども「70cmです。」
先生「どうやって考えたの?」
「250を200と50にわけたの。200は20cmでしょ。」
先生「うん、そうだね。」
「だから20と50をたして70cm」
「なるほど」
実際には50mmを5cmに直さなければいけないのに直さなかったから、答えは間違いなのですが、説明を受けたことで、考え方の道筋は正しかったこととどの部分で間違えたかが分かったのです。
そうすれば、適切なヒントが出せますね。
子どもは考えた答えを誤りだと否定され、正解だけを押しつけられるうちに自分で考える意欲を失っていくそうです。
正解を教えなくていいのかと私のような凡人は思ってしまいますが、「ある時点で間違った認識をしていても、月日がたち、学びが深まるにつれて自ら誤りに気づき、修正する力がある。」と
谷口さんは、言います。
でも、やっぱり答えを教えたくなりますよね。
2つのポイントを谷口さんは教えてくれます。
「どう考えてその答えを出したのか。
正解にたどり着けずに困っているのかどうか」
長い目で見て、算数の力をつけるうえで大事なのは、
自分の頭で考える姿勢だという。
「自分で考えてたどりついた答えは、正誤にかかわらず素敵なもの。
正解を教えたり、誤りを訂正したりするのに躍起になるのではなく、子どもが考えた道筋を一緒に楽しんで」と訴える。
心身の発達と同じように、算数の学び方や進度には個人差がある。
「その子が自分なりのペースと関心の持ち方で学んでいるのであれば、あせらなくて大丈夫。
大事なのは、一人一人が自分に合った形で算数を学んでいくこと」と話す。
塾での学習と、療育としての学習支援
何が違うのかが、私の中で明確になった記事でした。 (2021年7月1日に古いブログに載せたものを再掲しました。)