公園でサッカーをする「まさくん」とお父さん。とても微笑ましい光景ですね。ただ予想以上に強力なボールが来てお父さんもさぞ驚いたことでしょう。
この漫画でお父さんは、「まずはパスから始めよう♪」「ゆっくり蹴ってね~」と、「パス=ゆっくり蹴る」といったイメージを伝えています。それに対して、「まさくん」はパスと叫びながら強く蹴り上げていますから「パス=パスと言いながら蹴る」といったイメージとなっているのかもしれません。同じパスを考えているはずなのに不思議ですね。このお父さんと「まさくん」の「パス」についての理解の仕方の違い、すなわち視点のズレにより生じた出来事と言えそうです。 さて、「まさくん」の「パス=パスと言いながら蹴る」という視点のズレに関しては、私たちの接し方が原因かもしれません。事業所では、絵カードを用いて言葉の練習を行っております。ただ、この漫画にあるズレを考えた時に、言葉を発することが先に来て、意味づけが不足していたのかもしれないと反省をしました。「まさくん」の想いを汲みつつ、言葉と行動を一致させていくことが私たち事業所の課題となりそうです。
最後に、この漫画では「まさくん」のパスを「右足のロベカル」と表現されています。想像した行動とは違っても、「まさくん」を別の形で評価しようとするお父様の想いを感じ取りました。私たちが、お子様に向き合う心構えのようなものを伝えていただいたような気がして、身が引き締まる気持ちになりました。
栗林南校児童指導員 北岡宏太