2月の下旬に、年長のお子さんの保護者の方と、小学校入学に向けて話し合いをする機会がありました。入学を約1か月後に控え、気がかりなことなどについて、いろいろな意見を出していただきました。私からも、保護者の方が気にされるかもしれないと思う内容について資料を用意しました。以下は、私の資料に、保護者の方からのご意見を参考にして加筆したものです。今後、年中や年少のお子さんの保護者の方に、参考にしていただける内容があるかもしれません。また、情報が古いところがあるかもしれません。ご容赦ください。
①入学式当日とそれまでの流れについて、心配事はありませんか。入学前の学校との連絡は、充分に取れていますか。
教頭先生や来入児担当の先生方との連絡は取れていますか。心配事について、充分伝えることが出来ていますか。多くの小学校で、3学期中や春休み中に学校の中や入学式の会場、下駄箱、教室などを見せて下さいます。新しい環境に入る不安を和らげるために、ぜひ参加してみて下さい。心配事について、その時に学校の先生方に伺ってみることもできます。人事異動で3月に対応して下さった先生が4月にはおられないこともありますので、4月に入ってからの連絡も大切になります。また、トイレも要注意です。学校のトイレを使うことに抵抗がある、というお子さんは結構多いです。トイレの失敗が心配だという場合は、4月になったら担任の先生に相談して下さい。教室や保健室に着替えを用意しておく、といった対応をしてくださると思います。ただ、4月当初はお子さんと保健室の先生との気持ちのつながりができていませんので、担任と一緒に保健室に行くことになるでしょう。
②担任の先生はどんな先生でしょうか。
これが最も大事です。しかし、入学式前に教えていただくことはないと考えてよいでしょう。そのため、前もって心配しても仕方がないことです。
入学式後、お子さんと担任の先生の気持ちのつながりが早いうちにできるかどうかが問題です。慣れない人にしか自分の気持ちを伝えることができない、最初からヘルプを出していくことは難しいというお子さんも多いはずです。学校からは、担任の先生との何らかの連絡手段(連絡ノートやLINEなど)の提案があるはずですので、お子さんがうまく気持ちを伝えられない場合は積極的に活用して下さい。先生に気を使って連絡せずにため込んでしまうより、入学当初はどんどん連絡を取ったほうがよいでしょう。ただ、担任の先生のところには連絡ノートが何冊も届くため、先生方はゆっくり返信している余裕がないはずです。この点はご了承ください。
お子さんと担任の先生との気持ちのつながりがうまくできず、家を出るとき、あるいは学校に来てからも泣いている、という場合もあるでしょう。この場合には何らかの対応が必要になります。先生のお考えもあるでしょうから、お子さんの様子をお伝えし、相談してみることをお勧めします。私の場合は、遅くとも4月の中旬までには何らかの具体的な動きをしてきました。
③学級や学校の雰囲気、友達関係について。
これも、入学してみないとわかりませんし、学級の雰囲気は徐々に出来上がっていくものですので、何とも言えません。ただ、10数園からお子さんが入ってきているという学級が多いでしょうから、入学当初は周りは知らない子たちばかり、という場合がほとんどでしょう。だからこそ、4月初めでの先生との気持ちのつながりが大事になってきます。
入学してからの最初の数日間は、休み時間といっても、トイレに行く以外は自分の席に座っているというお子さんが多いはずです。休み時間に先生の周りにいて、先生と一緒に過ごすようになっても、お子さん一人ひとりの気持ちのつながりはすぐにはできません。そのため、先生がいないときに、子どもたち同士で遊ぶとは限りません。先生とお子さん、というつながりの方が、お子さん同士のつながりよりも強い時期が続くことになります。
先生とお子さんとの気持ちのつながり(ここでは、たてのつながりという言葉を使っていきます。)の方が友達同士の気持ちのつながり(横のつながりという言葉を使っていきます。)よりも強い時期は2年生くらいまで続く、というのが私の感触です。小学校における先生の影響力はとても大きく、「いってやろ、いってやろ、せーんせいにいってやろ。」という表現(この頃はあまり聞きませんが。)は、たてのつながりの強さをよく表しています。ただ、3年生ぐらいになると、たての力に加えて横の力が徐々に強くなっていきます。1年生の入学当初は、横の力を期待するのは大変難しいので、たての力をうまく引き出していくのがよいでしょう。
④教室の座席や校内での移動について。
支援級にも原学級にも、それぞれのお子さんの座席やロッカー、物掛けが用意されていますが、場合によって学校にお伝えした方がよいのは、座席の位置です。前がいいのか、後ろの方がいいのか、先生の席の近くがいいのか、出入り口の近くがいいのか、ということです。前のお子さんの様子が目に入ることで落ち着かなくなる可能性がある場合は前の席をお願いしてみる、先生に声をかけやすい場所の方がお子さんは安心するという場合は先生の机の前にしていただくなど、お願いしてみることはできます。
入学当初の教室の座席は、あいうえお順に並ぶ場合が多かったように記憶しています。教室のどの位置に席を設けるかが大切という場合は、前もって学校とご相談いただいたほうがよいでしょう。ただ、学校の都合もありますので、ご希望が完全には通らない場合もあります。入学当初は希望が通らなくても、しばらくしたら席替えをしますので、その時に考慮してくださる場合もあります。
校内での移動について。入学式当日、式場にお子さんたちを連れていくときは、私は、座っている列ごとに2人ずつのペアを作り、手をつないでいくようにしました。入学後、しばらくはこの形で移動することがあるかもしれません。このあたりは、担任の先生のお考えによります。
⑤小学校生活(4月当初の様子、給食、掃除など)
4月当初は、1年生の下校時刻がとても早くなります。どの学校も、入学後しばらくは給食も掃除もないのが通常です。その後、まずは給食が始まり、しばらくして掃除も始まってきます。
1年生の給食は、4月の第2週目あたりから始まるところが多いようです。最初のうちは、10時過ぎから準備を始めて11時過ぎには食べ始める、といった具合かと思います。準備や片付けにとても時間がかかりますし、食べるスピードがお子さんによって大きく違うためです。食べることのできる量だけ盛り付ける、嫌いなものは残してもよいなど、無理はさせない方向を先生方は取ると思います。そのため、1年生の給食は残る量が多くなります。また、アレルギーのお子さんや特定の食材はまったく口にしない(できない)というお子さんもいます。ご心配な場合は担任の先生に相談して下さい。牛乳だけ止める、家からご飯を持参するなど、いろいろな方法があります。
給食が始まるようになると、下校時刻は13時すぎになります。1年生が帰った後、1年生の教室を6年生が通常の掃除時間(13時半頃から始まります)に掃除をするためです。
掃除も4月中に始まるだろうと思います。最初は自分たちの教室と廊下を中心に行い、担任の先生に加え、6年生が補助に入る場合があります。この頃になると、下校も2時過ぎになってきます。
なお、最初の頃は毎日のように学年(学級)通信のようなお便りが届くはずです。1年生が自分で翌日の予定を書くのは難しいため、このお便りが頼りになります。持ち物や下校時刻については、お便りで確認してください。この時期に、学校からのプリントを家に持ち帰って保護者の方に渡す習慣がつくといいのですが、そう簡単にはいかない場合も多いです。
4月は新しいことがどんどんと入ってきます。いつ、どんなことが始まるかは、 学校からのお便りを見て確認していってください。【山】(その2に続く)