2月23日(木・祝)に年長の子どもたちを中心に、小集団を行いました。見通しが持てるように、ホワイトボードにやることを書いています。
この中に「たるえだ」というがありますが、「たるえだ」って何だかわかりますか?
「たるえだ」は指示を聞いて身体を動かす体操のようなものと思ってください。やる人はその場で足踏みをして走ります。「たる」と言われたら、目の前にたるが転がってきたと想定してジャンプをしてよけます。「えだ」と言われたら、目の前に木の枝が出てきたと想定して、しゃがんでよけます。それだけです。シンプルなルールなので、小さい子でも楽しめます。この「たるえだ」は演劇のトレーニングとして有名なので、演劇部や演劇サークルなどでやったことがある人がいるかもしれません。
私たちは日常生活で、話を聞きながらメモを取ったり、看板を見ながら歩いたり、質問しようとして手を上げたりと、複数の動作を同時にしていることが多いのですが、「きらり」に通っている子どもたちには、この複数のことを同時にやるのが苦手な人が少なからずいます。
「たるえだ」は簡潔な指示を聞きながら、走る・飛ぶ・しゃがむ、という動きをするので、遊びを通して複数のことを同時に行う練習ができます。また、これを4~5人で一緒にやれば、皆と一緒に同じことをやる体験ができて、5人同時にジャンプしたり、しゃがんだりできると、ちょっとした一体感が生まれて楽しい気分になります。実際にやってみると、ゲームのマリオになったような気分も味わえます。
演劇のトレーニングには、シンプルなのに実は奥深いものが結構あり、療育にも生かせそうなものもあります。「たるえだ」もそんなものの一つではないかと思います。