みなさん
こんにちは😃
こどもサポート教室「きらり」宇都宮校です❗
今回はコミュニケーションと言語がどのように関係しているのかを解説していきたいと思います。
実は私たち大人は、日常生活の中で多様なコミュニケーションの方法を活用しています。おおよそ25個以上の方法を駆使して社会生活を営んでいると言われています。
その中でも「言語」については最も使用するコミュニケーション手段の一つです。そのため、お子さんの「言語発達」が緩やかだと、どうしても不安感が強くなりやすい傾向にあります。
そこで、「言語」がコミュニケーションの中でどのような役割をしていて、どのように発達していくのかを確認していきたいと思います。
言語発達とコミュニケーションについて、少しでも不安な部分を軽減することができればと思っております❗
【1:コミュニケーションにおける音声言語の位置づけ】
まず初めにコミュニケーションにはどのような手段があるのかを紹介していきます。
コミュニケーションは『関係性の距離』と『取り決め(約定性)』でそれぞれ分けられます。
『関係性の距離』とは、コミュニケーションを取ろうとしている2者間の心理的な距離のことです。心理的な距離が近ければ近いほど共有的な方法でコミュニケーションを取ることができます。
関係性が遠い場合は、情報をやり取りするだけの伝達的なコミュニケーションが必要になってきます。
例えば、初対面の大人がコミュニケーションを取るときには「言語」でコミュニケーションを取るのが一般的です。お互いに近すぎず・遠すぎない距離感で会話をすることが多いのではないでしょうか。それが大人同士の関係性が親密になってくると「言語」に加えて「表情」「しぐさ」からも相手がどのように思っているのかを理解することができてきます。
このように、人は相手との関係性によって様々なコミュニケーションの手段を使いこなしているのです。
次に『取り決め(約定性)』とは、コミュニケーションによる「決まり(ルール)」の強さのことです。「決まり(ルール)」が強くなればなるほど、誰もが共通した理解で使うことができるコミュニケーションの手段だということになります。
決まりが強いコミュニケーションの例を挙げると「モールス信号」「数学記号」などがあります。モールス信号は単調な音や光で相手に言葉を伝える方法で、言葉のルールが条約で定められているほど決まりが強い手段となります。「数学記号」についても数字や足し算・引き算など、全世界で共通している誰でも同じ意味で使えるコミュニケーション手段ということになります。
この『取り決め(約定性)』が弱くなってしまうと、人によって解釈が違ってきてしまう「曖昧」なコミュニケーションになるということになります。
これらのコミュニケーションを図にまとめると以下のようになります。
参考文献:鯨岡峻,『原初的コミュニケーションの諸相』,ミネルヴァ書房, 1997, p177
そしてこちらの図の左下から右上に向かって発達していくのが一般的です。生まれて間もない乳幼児にとって、コミュニケーションを取る方法は限られており、成長するにつれて最終的に言語を獲得していきます。
普段何気なく使用している音声言語でのコミュニケーションですが、実はコミュニケーションの種類の中でも高度な手段に位置づけられているのです。
【2:音声言語をどのように学ぶのか】
続いて子どもたちは、音声言語をどのように学んでいくのかを確認していきます。
子どもたちが音声言語を学んでいく上で最も大切になるのが『共同注意』です。
『共同注意』は言語の習得以外にも、人が人から物事を学ぶ上でも使用されています。
この共同注意を確認していきながら、音声言語との関係を見ていきましょう。
まず共同注意についてです。『共同注意』とは、同じ空間にいる人に自分と同じ個所に注意を向けさせることです。他の言い方をすると「自分の興味・関心を向けている物や事を相手と共有する」ことが共同注意です。
共同注意は言葉だけだと少し複雑で、正直分かりづらい部分もあるかと思います。そこで共同注意が分かる簡単なワークを用意しましたので是非挑戦してみてください。
ワークは①例題、②問題(ヒントなし)、③問題(ヒントあり)の3部構成です。イラストが6つありますので「指示されたイラストを3秒間」見続けてください。先にお伝えしておくと、②問題は絶対にできないかと思いますので、しばらくしたら次に進んでください。
それではどうぞ❗
①例題
問題:下のイラストの中にある「はさみ」を3秒間見続けてください。
②問題(ヒントなし)
問題:下のイラストの中にある「တီဗီဆက်」を3秒間見続けてください。
③問題(ヒントあり)
問題:下のイラストの中にある「တီဗီဆက်」を3秒間見続けてください。
ヒント:「တီဗီဆက်」に丸が付いてます。
いかがでしたでしょうか。無事にイラストを見つけて3秒間見続けることができましたか?
このワークの答えは「テレビを3秒間見続ける」という問題でした。問題に出て来た「တီဗီဆက်」という言葉はミャンマー語で「テレビ」です。
ここで確認していただきたいのが、注目して欲しい場所が明らかになっていると、そこから知識が結びついてくるということです。
「တီဗီဆက်」が読めなくても、テレビのイラストに丸を付けて注意を向けてもらうことで「တီဗီဆက်」は「テレビ」のことを指していたと気が付くことができると思います。
このように意図した箇所に注意を向けてもらうことで、物事を学んでもらうことが『共同注意』による学習です。
それでは本題である「音声言語」について触れていきたいと思います。結論からお伝えすると、子どもたちは共同注意を活用して音声言語の獲得をしていきます。
まずは子どもが生まれてから共同注意を活用するまでを5ステップでまとめました。
このように、子どもは養育者や他人の音声・視線・指さしなどの情報を自然と手掛かりにして、言葉の意味や言語を結び付けて学習をしていくということがわかります。
反対に子どもが違う場所に注目していたり、注意を向ける先が養育者とズレていると学習に結びつくのが難しくなるということが言えます。
以上が音声言語を学ぶ大きな流れになります。
※小学生以降の年齢では「語彙」の獲得についても別のテーマとして重要になってきます。ここでは小学生以前の言語獲得として認識していただき「語彙」の獲得は別の機会で解説していきます。
【3:特性と共同注意の関係】
それでは最後に「特性のある子どもたちは、どのように音声言語を学んでいけば良いのか?」ということに触れていきたいと思います。
結論としては『共同注意』を活用することと、発達段階を考慮することが学びに繋がっていきます。
例えば上の【2:音声言語をどのように学ぶのか】で述べた中で、共同注意の「視線」を考えてみます。養育者の「視線」を追うことで情報を集めて学んでいく共同注意があります。しかしASD(自閉症スペクトラム症)のお子さんで「視線を追わない」という特性を持っている方は、視線を追って情報を集めることが少ないケースもあります。その場合は、視線を無理に合わせる練習をするよりも、指さしやカード等の「視線」の替わりに注意を向けてもらえるツールを活用して提示をすることが大切になってきます。
また、子ども本来の発達段階についてです。共同注意の過程として年齢を基準にしましたが、すべての子どもたちの発達は個人差がとてもあり、年齢を目安にすることはあっても年齢を軸にすべてを考えてしまうと大きな負担をかけてしまうこともあります。そのため子どもがどのような状態なのかを把握して、実態に合わせていくことがとても大切になってきます。
特性に合わせた注意の向け方は、特性によって千差万別ですのでお子さんの状況によって提示の方法を変えていく必要があります。
以上がコミュニケーションと言語の関係になります。
最後まで見ていただきありがとうございました❗
こどもサポート教室「きらり」宇都宮校では、随時相談を受け付けております🙂
日常生活で子どもと関わる時に困っていることや、今後の進路で不安なことなどお気軽にご相談ください。
またブログの内容でご質問等がございましたら、職員にお声掛けください。
それではまたお会いしましょう😃
こどもサポート教室「きらり」宇都宮校
栃木県宇都宮市駅前通り 2-3-12 ザ・ミレニアムタワー 101
(JR宇都宮駅西口徒歩約6分 宮下眼科さん向かい側 校舎前に駐車場3台完備)
TEL/FAX 028-680-6201
開校日 月曜日~土曜日
1歳半から就学前の児童発達支援、
小学生から高校3年生までの放課後等デイサービスともに、
個別支援スタイルの事業所です。