「漢字が苦手」というお子さんは多いですね。「きらり」多治見校では、「こんな方法はどうかな」「これならいけるかも?」と思考錯誤をしながら、漢字の支援「ツール」を考えています。
漢字を間違えるお子さんって、横棒が1本足らなかったり、出るべきところが出ていなかったりとほんの少しだけ違います。お子さんによっては、最後の5画分だけが怪しい場合や、最初の書き出しが怪しいとかなんとなく傾向があります。苦手な部分だけじっくりと見るくせがつけば、間違いが少なくなるのではないかなと考えたのが、「よく見て書こう 漢字シート」です。
図の例は、最後の五画を1画ずつ練習するシートです。1画分の起点と終点を点で示してあります。「見る・書く」。注意深く漢字を見る練習です。
最初は、全体の字の中のどの部分になるかを把握します。次に起点と終点だけをなぞります。最後は何も書かれていないシート。ていねいに細部を見る練習をします。
漢字が苦手なお子さんに、前年度の学年配当の漢字の一覧を渡して、「漢字テストで、絶対に書けないという“自信”のある漢字に印をつけて」とお願いして「自己チェック」をしてもらいました。予想通り、「画数の多い漢字は苦手」という結果がでました。
漢字ドリルの練習ノートを見せてもらいました。何度も同じ字を練習するので、同じ字でも、最後の画数ほど「雑」になります。同じ漢字をいくつも書かせて練習させる弊害ではないでしょうか。子どもは「しっかり練習しよう」という意識でなく「早く終わらせよう」という意識で書きます。
「漢字を書く」という「作業」は、漢字の「読み」から漢字の全体の形を思い起こし、漢字を構成する何本かの線の位置も同時に思い起こすという必要があります。視空間的短期記憶が弱いと、線を1本ずつ見て書いていくと、書き終わるとその位置情報が消えてしまうのです。全体と部分の両方の情報を覚えないと漢字は書けません。
漢字を書くためには、線を1本ずつどこにどのように書くのか、注意を払う必要があります。特に不注意な特性が強いお子さんは、やみくもに練習すると、かえって書き方が混乱してしまいます。
「よく見て書こう 漢字シート」の「見」と「漢」を取って「見漢シート」。この学習シートの意図を表した「すばらしいネーミング」だと作成者Fは自画自賛しています。
何度も練習して漢字を覚えるタイプのお子さんもみえますので、その学習方法を否定するものではありません。いろんなタイプのお子さんがみえますので、お子さんに合わせた学習方法をみつけてあげられるといいですね。
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