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【なぜ?】「相手の立場になって考えるのは心の発達段階上、小さなお子様にとって難しいことなんです」というお話

更新日 2023年4月2日

こんにちは。

いつもクラ・ゼミ札幌東苗穂校第2のブログをご覧下さり、誠に有難うございます。

壁紙は令和5年3月、ひな祭りバージョンです。(公開が少し遅いですが…)

今回は職員が作りました。上手ですよね、とても可愛らしく出来ています👍

さて、今回の件名ですが、

世の中の多くの保護者様は、お子様に「相手の立場になって物事を考えられるようになってほしい」と、

お考えになっていると思います。

これは物凄く大事なことですよね。

しかし、相手の立場になって考えるって、心の発達段階の観点からすると結構難しいことなのです。

結論ですが、6,7歳未満の小さなお子様には理解できないことが多いです。

ここで何を申したいかといいますと、例えば声掛け一つにしても、

年齢やお子様の状況に応じているかどうかで効果が違ってくるということです。

少し難しい気がしてしまいますが、

このことを少しでも知っていれば、いざという時に効果的な声掛けができるでしょう。

それが、今回の話題です。

よろしければお付き合いください<(_ _)>

〇なぜ難しいのか?

なぜ、小さなお子様にとって、相手の立場になって考えることが難しいのでしょうか?

それは、そもそもお子様がそのような能力を獲得するのは、結構先のことだからです。

ここでいう能力というのは、誰かの立場になって物事を考えたり、相手の気持ちを自分に投影してみることです。

実際にそういった能力がきちんと身に付いていくのは、大体10歳以上、つまり小学校3、4年生以上なんですね。

お子様によっては、もう少し後になると言われています。

そこで、良く議題に上がることがあります。

有名なユーチューバーの方が仰っていたり、関連の書籍にも書かれていることがありますが、

「自分がされたらどう思う?」だったり、「相手はどう思うかな?」と、まだ小さいお子様に問うことです。

これらの言葉は、心の発達段階にもよりますが、小さなお子様には効果が薄いと言われています。

なぜそうなるのか、この時点で概ねご理解いただけたのではないでしょうか。

それでは、これらの言葉の代わりとなる対応方法をご紹介いたします。

〇小さなお子様に適した声掛け

「自分がされたらどう思う?」「相手はどう思うかな?」これらの言葉は先ほども述べていますが、

心の発達段階上、小さなお子様には適していません。

これを聞いて実際に「嫌だと思う」と言えるのは、その模範解答を知っているからであり、

理解できているわけではないことが多いです。

小さいお子様というのは、自分の中にあって特に関係が深いもの、

自分が好きなもの

・自分自身が体験したこと

に対しての気持ちしか分からないのがスタンダードです。

基本、自分オンリーなんですね。

ですので、「自分がされたらどう思う?」という言葉では、自分がされたらという現実に起きていないことを想像し、

さらにその中にいる自分の気持ちってどうなんだろう?という、かなり困難なことを考えさせることになります。

想像の中をさらに想像するって、結構難しくありませんか?

これは飽くまで心の発達段階上のお話なので、小さなお子様が理解できないのは問題ありません。

ですが、これらの言葉の代わりに、どのような声掛けをしてあげれば良いのでしょうか?

それは、「自分がされたらどう思う?」ではなく、

「もしお母さん(お父さん)が〇〇されていたら、どう思う?」と言ってあげれば良いのです。

これは、大好きなお母さんが誰かに嫌なことをされたら…「とうぜんイヤだ!」とイメージを結び付け易いんですね。

失礼な言い方になるかも知れませんが、自分のことが見えていない人ってそばにいらっしゃいませんか?

「なんか、口では良いこと言うけど、実際にはこの人もあんま出来てないよな…」と見ていて感じる人のことです。

自分を客観視するよりも具体的な対象物があって、その見たまんまを言う方が簡単です。

人のことはいくらでも言えるというのは、そもそもそれが簡単なことだからなんですね。

自分がそうなっていないか、大人として少し注意が必要です(笑)

〇心情に関する支援について

少しだけ、日々の支援のお話になってしまいますが、

今回述べてきたことは、子ども達に対し心情に関することを考えてもらう時などに応用できます。

小さなお子様の場合、誰かの立場になって物事を考えてもらったり、

人がどんな気持ちになっているかを考えてもらったとしても、これらは中々理解できません。

それよりも、

絵本の感情豊かなキャラクターの表情や、表情を描いた絵を見せるなどして、

どんな気持ちかを言ってもらうことを先に行います。

これは先ほどの例で出たように、自分のことを客観視するよりも、目の前の人を見て感じることを述べるほうが容易だからです。

また、例えばお子様の気分が優れなく、イライラしている時などには、

「あれ!?今日はイライランが〇〇くんの中に入っているのかな?」のように言ってあげることで、

自分と今の気持ちが切り離され、感情を少し離れた視点からとらえ易くなります。

〇おわりに

いかがでしょうか。

少々難しいお話をしているので、まとめたいと思います。

・小さなお子様にとって相手の視点に立つというのは、心の発達段階上難しく、その力が獲得されるのは大体小学校4年生以上のお子様になる

・小さなお子様は自分が直接体験したことや、好きなものに対してのこと、つまり、自分に含まれることしか考えられない

・だから「自分がされたらどう思う?」より、「もしお母さん(お父さん)が〇〇されていたら、どう思う?」のほうが有効な言葉となる

・日々の支援に関しても、無理に気持ちを想像させるような形ではなく、自分に関わることや目の前にある具体的なことが中心となる

ちょっと長いまとめで申し訳ございません。

お子様に投げかける言葉も、心の発達段階に応じたものであるほうが伝わり易いこと、ご理解いただけましたでしょうか。

ぜひ、参考にしていただけると幸いです。

体験療育を実施しています。ご相談なども承っております。

お気軽に、お電話やホームページを通してお問い合わせ下さい。

では、今回はこの辺で。

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