4月になり新年度になりました。環境の変化に戸惑いを隠せない子、心機一転で張り切りすぎて疲れ気味の子、様々です。例年4月は、精神的に不安定になりがちなお子様が多いのも事実です。優しい目線で、子どもたちを見守りたいものですね。
今回はある本を紹介します。
中邑賢龍『どの子も違う 才能を伸ばす子育て 潰す子育て』(中公新書ラクレ)
https://www.chuko.co.jp/laclef/2021/06/150731.html
著者の中邑賢龍さんは、東京大学先端科学技術研究センターの教授で、才能に恵まれていながら現在の学校にでは問題児扱いされている子どもたちに学びの場を提供する「東大・異才発掘プロジェクト」のディレクターをしています。今の教育現場や家庭におけるさまざまな「壁」について書かれています。
例えば、この本の中に授業中にカーテンの中に入ってしまう小学4年生のエピソードが出てきます。先生は「椅子に座って授業を聞きなさい」と怒り、クラスの子も勝手なことをする子だと思っています。しかしこの小学4年生に、なぜ授業中にカーテンに入りたがるのかを聞くと、次のような答えが返ってきました。
「カーテンに入っていたら、ノートを取らなくていいから。そうしたら聞くことに集中できて、授業がよく理解できるようになる。授業が分かると楽しい」
このエピソードを読むと、こういう子に対して、どのような合理的配慮が必要なのかを考えさせられます。
この本のタイトル通り、どの子も違います。その子どもたちの困っていることに寄り添い、できることを探りながら、少しずつ自信を持って生きる力を育んでもらいたい。私たちはそのように考えています。