11月19日(土)に、円座校にて、『子どもの姿
を信じる障がい児養育』というイベントを開催しまし
た。利用者の養育体験を聞く会です。
あっという間に定員の10名に達してしまい、会場
を円座校に移して定員を15名としてもすぐに満席と
なったのが印象的でした。
まずは、私が、(株)クラ・ゼミに在籍する変わり
種の経歴をもつ職員の体験を紹介させていただきまし
た。その職員は中学校教員時代には「検査結果よりも、
自分の目の前の子どもの姿を信じるんだ」と考えてい
たそうなんです。ところが、心理判定員として病院で
働いているときには「学校などでも検査結果を活かし
てほしいなぁ」という思いに変わったそうです。そし
て、児童指導員をしてみると「検査結果や所見に不備
は見られないのに、目の前の子どもの姿が検査結果と
一致しない」という思いが強くなったそうなんですね。
教育、医療、福祉の3つの分野に身を置いたことがあ
るのに、どの分野でも子ども理解にひっかかる部分が
出てくるという不思議な話をご紹介しました。
私からすれば、そこに当事者視点というピースがな
い限りは理解できないでしょ、という感覚なんですね。
さて、講演会の中で、そうした専門性のある見方
は悪ではないけれども、身体的なアプローチや栄養学
的な思考が不足しているのではないかというご提案が
ありました。まずは体を整えよう。そして、しっかり
と食事を摂ろうということですね。発達障がいを、身
体的なマイノリティとして理解しようという動きはす
でに始まっていて、このようなご意見は、私にとって
とても納得のいくものでありました。
途中、講師の方がお話しになる予定にはなかった身
体的アプローチの実演を始めたときに、「あ、成功だ
な」と思いました。話をもっと聞きたいと
いう参加者の意向と、それに応えねばという講師の方
の気概を感じたのです。アンケートを見ますと、とて
も満足度の高いご感想をちょうだいしていました。
お忙しい中、ご参加くださった皆様、そしてご講演
くださった講師の方、本当にありがとうございました。
栗林南校児童指導員 大内雅登