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学校に困り感を伝える11の方法(その3)

更新日 2022年7月23日

⑤学級懇談会の話題にする。

 〇授業参観の後に学級懇談会が設定されている場合、保護者の方から話題を出すことで先生に気持ちをお伝えする方法があります。授業参観当日に関連する様子が見られた場合には、説得力も増します。一人ではなく他の保護者の方からも同調する意見が出てくると、保護者の皆さんの総意として担任に気持ちを伝えることができるので、前もって相談しておくのもよいでしょう。今の状況について知らなかったという保護者の方に知っていただく機会にもなります。ただ、学校を非難するような強い調子で伝えることは避けたいですね。

 △コロナ禍で参観日や学級懇談が少なくなっている状況では、機会を見つけるのが難しいかもしれません。学級懇談会の雰囲気によっては言いにくい場合もあります。また、緊急を要する場合は、懇談会を待っていては時間が経ちすぎることもあります。

 ▢これを行う場合には、保護者の方同士での事前の根回しが大切になってきます。一人の保護者の方だけが発言して援護射撃がないような状況だと、今後何かあっても言いにくい雰囲気になってしまうことがあります。

⑥学校内の苦情や相談のための窓口に伝える。

 〇学校によっては、苦情や相談を受け付ける窓口や担当職員を決めていて、保護者の方に知らせている場合がありますので、こちらに連絡を取ってみる方法があります。おそらく、受け付けた後の対応方法について、校内で何らかのマニュアル化がなされているはずですので、伝えてはみたもののその後の反応が返ってこない、といった事態は避けられるはずです。

 △担当職員が知っている先生だと話しやすいでしょうが、面識がなく、どういう先生かよくわからないといった場合には、連絡が取りにくいかもしれません。ただ、逆に考えれば、懇意の先生が受付担当であった場合には強力な手段になりうる、とも言えます。

⑦長野市や長野県の相談窓口、教育委員会に連絡を取る。例えば、長野市教育委員会や長野県教育委員会、長野市教育センター、長野県総合教育センター、こども総合支援センターなどの窓口に相談する

 〇匿名で相談することができるはず(学校名など、最低限の情報は伝えてほしいと求められるでしょう。)ですし、相談機関の担当者は、相談者や相談内容についての秘密は厳守する、と約束して下さるはずです。電話やメールでの相談の場合、担当者はその学校の方ではないので、直接会って話すよりも伝えやすいでしょう。

 △相談をした後、相談内容がどのように学校に伝わるのか(伝わらないのか)、仮に学校に連絡があった場合に、学校がどのような対応を取るのかがわからないため、相談後の結果が心配になる場合があります。そのため、相談時に、お子さんや保護者の方の困り感だけでなく、その後の対応についても伺っておくことで安心感が高まるでしょう。相談機関としても、対応を誤ると機関としての信用問題になるため、しっかりと伝えて下さるはずです。

 また、前述のように、先生方の中には、外部からの連絡が来るのを嫌がる人もいます。解決するのは学校であり、外部からの連絡では詳しいことの確認をしたくてもすることができない、なぜ直接話してもらえないのか、という思いが先生方に生じることがあります。ここに、保護者の方の思いと職員の考えの齟齬があります。

 ▢今年度から、長野市の「こども総合支援センター」での相談受付が始まっています。連絡先は、0120-783-041です。

⑧学校職員を交えた支援会議を設定し、その中で伝える。

 〇学校内で行われる、保護者の方が参加する支援会議の中でお伝えする方法や、相談員やコーディネーター、きらりの職員など、第三者を入れた支援会議を設定して、その中で伝える方法があります。第三者が入る場合、いろいろな立場から意見を伝えることができます。保護者と担任という1対1の関係ではなく、外部を入れることで話しやすくなる場合もあります。

 △支援会議なので、当然、誰が伝えたのかは特定されます。果たしてこのことが良い方向に進むのか否かは、会議に出席するメンバー次第というところがあります。

 ▢学校とのつながりがうまくいっている場合だけでなく、とりわけうまくいっていない場合には、学校外の第三者を入れる良さがあります。相談員でもコーディネーターでも、きらりの職員でも構いません。学校(担任)対保護者という1対1の場面だと話が行き詰ってしまうことがあり、そういう場合には第三者が入ることで雰囲気が変わります。担任の先生の他に学年主任や教頭先生が入ることで、違った立場から話をしていただくのも有効です。

 ある困り感を抱えていた小学生のお子さん(きらりを利用中のお子さんではありません。)について、支援会議を開いていただいた時のことです。困り感についての話が一区切りついたところで、担任の先生から、これから先のことを考えると、このお子さんにはこうすべきではないか、という注文が矢継ぎ早に保護者の方になされたことがありました。これが出来ないので出来るようにしてほしい、あれも出来るようにしたい、こんな調子でした。これを聞いていた私は、さすがに中に割って入りました。先生のおっしゃることは正論ですので、うちの子にはできないところがたくさんあると感じている保護者の方の場合、反論の余地がなくなってしまいます。これではそのお子さんの困り感の解決にはつながらなくなるのではないかと思い、口をはさみました。学校側(担任)と1対1ですと、こういった場合に片方が一方的に言われるままになってしまい、雰囲気が悪くなります。潤滑油たる第三者が必要です。

 なお、これは⑧の場合に限りませんし、今回の内容の趣旨と少しずれるところがありますが、いろいろな人が関わる中で情報が共有された場合、集団での個人情報保護を考える必要が出てくることがあります。例えば、お子さんから困りごとの相談があったとき、「ほかの人には絶対に言わないでね。」などとお子さんから釘をさされることがあります。保健室でお子さんからこう言われたら養護教諭はどう対応するか、という問題です。ご自分のお子さんからこのように言われることもあるでしょう。こう言われた時に、打ち明けられた大人としては、お子さんとの約束を守ることは大切ですが、関係者に何も言わずにそのままにしておけば、更に大きな問題に発展し、大問題になったところで担任の耳に入るために対応が後手に回って解決が難しくなる、という事態を招くことにもなりかねません。集団での個人情報保護というのは、こういった事態を防ぐために取る方法の一つです。上記の場合でしたら、まずは養護教諭と担任(あるいは関係するごく少数の職員も加えます。)だけで情報共有を行い、特別な必要がない限りは他の方に公表しない、すなわち、限られた集団の中だけで情報を共有して対応する、というやり方です。外部に公表されたと分かると、このお子さんと養護教諭との信頼関係が崩れ、もう何も話してくれなくなります。それは避けなければなりません。他方、対応が必要なのにそのまま放置しておくことも出来ないという場合には、関係する方との相談や情報共有が必要です。情報を受けた担任は、知らないふりをして注意深く様子を観察するなどして、気が付いたことや対応策などについて養護教諭と相談していくことになります。何か対応する場合でも、あたかも自分がその事態を発見したかのような行動をとることで、伝えてくれたお子さんへの配慮を行います。情報を共有した人たちの慎重で適切な対応が求められることになります。【山】(その4に続く)

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